お知らせ

日本神経学会学術大会 2014年速報(3~4日目)

整形外科と神経内科のはざまの疾患:診断と治療

興味を持ったきっかけ
難治性神経因性疼痛
末梢神経障害は画像診断ができない

一側上肢の神経原性筋萎縮を起こす疾患

頸椎症
MND
MMN
Neuralgic amyotrophy
遺伝性ニューロパチー
平山病

7年間の入院で86例いた
入院時診断
34%はわからない
最終診断
16%診断基準に合致しない
分類学ではないから、わからないものは無理に診断しないで、観察を続ける

大切なのは
病歴
臨床と画像の一致は? 特にCS

神経痛性筋萎縮症NA

3年後も75%機能予後が悪い
腕神経叢 上位だと近位 下位だと遠位の障害

49M
半年前タイヤ交換で痛み 右上肢 筋力低下
MRIで頸椎症しかし、左の圧迫だ、画像と合わない
IVIGで改善 5クール
診断 NA

51M
左肩甲骨痛みと脱力
NA

71M
右肩の傷み・力が入らない
CS合併 これはたぶん合併しやすい病態だから

まとめ
ほぼ近位型が多い
治療はステロイドパルスとIVIG同時に

・NA非典型
54M 左上肢あがらない
翼状肩甲だが、NA

15M
子供もなる
野球の練習が引き金

前・後骨間神経麻痺

上肢の痛みで発症し、1から3日痛み、その後、指が動かなくなる疾患
正中神経NN 橈骨神経RN 前・後骨間N麻痺
神経束のくびれがあり、それをOPすることで治療 手の外科の考えでは
最初何の疾患だか分らなかったが、整形から依頼され、神経内科のめで見直すことに
組織を見た
スプラウティングがすごくおこっている
ねじれているその先は線維化
だから移植で治る

56M 痛い 指が動かない
前骨間神経領域
親指示指の動きが良くない
IVIGしたら改善

20F 皮疹 左上肢疼痛 筋力低下
1、2指が曲がらない
握れない
NN領域に不全麻痺
若い女性だし漫然とステロイドは使えない
そこで運動神経を生検した 筋肉は グループアトロフィ 運動神経 急性のワーラー変性 血管炎だろう 皮膚科では否定されたが ステロイドで改善した

39M 後骨間神経麻痺 右の4,5指が伸びない
CSともなうが症状とは合わない
指進展だめ 尺骨領域主体
IVIGで改善

上肢の痛みを前駆症状とする前・後骨間神経麻痺の全国研究始めた
Opになる人は2、3割
他は神経内科
男性に多い
利き手に多い
身体使うことがきっかけだから
2割はきっかけあり
神経内科初診ではなく、整形外科からの紹介がほとんど
治療有効な時期になかなか診断がつかないのが問題
治療はIVIGが主体になりつつある

RSDS

47F 左上肢痛み 脱力
だんだん範囲が拡がる
1日の中で発作性に痛む
うごかない、浮腫・腫れている、冷たい
指先で脈波とると プラトー 血流悪い
サーモグラフィ 皮膚温 悪い方がより低い
星状神経節ブロックで改善 
プロスタグランディンで維持

48M
左頸部から上肢への痛み
IVIGで少しは改善するが、だめ
RSDSだった
神経因性と思われてしまうことが多くてかわいそう

30F
右上肢疼痛 手指脱力
MRIで腕神経叢の腫脹ある
星状神経節ブで改善

現在はCRPS複合性局所疼痛症候群という
2005年 診断基準あり
日本ではCRPS臨床用判定指標(CRPS研究会,2008)
自覚的症状(いずれかの時期に、以下の自覚的症状のうち2項目以上該当すること)
1. 皮膚・爪・毛のうちいずれかに萎縮性変化
2. 関節可動域制限
3. 持続性ないし不釣り合いな痛み、しびれたような針で刺すような痛み、または知覚過敏
4. 発汗の亢進ないしは低下
5. 浮腫
他覚的所見(診察時において、以下の他覚的所見の項目を2項目以上該当すること)
1. 皮膚・爪・毛のうちいずれかに萎縮性変化
2. 関節可動域制限
3. 異痛症(触刺激または熱刺激)ないしは痛覚過敏(ピンプリック)
4. 発汗の亢進ないしは低下
5. 浮腫
トリガーは、はっきりしないことが多い

老人性全身性アミロイドーシス

高齢者の心不全 伝導ブロックの原因のひとつ
欧米では以前から難治性心不全の原因として注目されている
初発は手根管症候群が多い はるかに先駆ける

TTR由来アミロイド沈着
1.全身性全身性アミロイドーシス
2.限局性アミロイドーシス

2は1の一時期?
CTSの3割はアミロイドが沈着している
年齢とともに頻度高くなる
特に男性
CTSで初発し、心臓にもついてくる?

75M 両手麻痺 動悸
両側シビアなCTS

67M
手が動かない
心筋シンチでアミロイド陽性

83M
73才で両手痺れ
AF 脳塞栓
心エコー シンチでアミロイド沈着
実際には40台で始まる?

早目に抗アミロイド薬物療法すれば、進展しないのでは?

FAPの治療薬
Tafamidが使えるようになった
FAP家族性アミロイドポリニューロパチーはわが国では熊本と長野に集積する
しかし、本当のターゲットは、この老人性。

日本アミロイドーシス研究会
8月22日にある

座長から

NAはステロイドで痛み取れるが、すぐ直るのはどうして?
急性期のハイシグナルはなに?
いまのところわからない、慢性期にしか来ないこと多いし

フロアから
・電気生理では障害の分布からするとCSと思う症例があるが、整形は画像がしっかりしないとOpしない。どうすればいいか?
それをIVIGしてみては? 整形では勝算のあるOpしかしない。
痛みだけならデキサメタゾンVだけでも改善

・CTSは沢山いる
アミロイドーシスかどうか、どう診断する?
内視鏡的にOpすると生検ができない。それでしか診断はつかないのに。

・どうすれば生検してもらえる?
60歳以上の男性なら、組織も調べてくれ、といえばいいのでは?
コンゴレッドは簡単だし、組織送ってもらえればあとは熊大で検査します。
CIDPだとトランスサイレチンは必ず調べる、コマーシャルベースでできる。
だから調べて。

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白鳥内科医院

〒430-0814 静岡県浜松市南区恩地町192
電話:053-427-0007  FAX:053-427-0005


主な診療内容

物忘れ(認知症)外来
頭痛外来(6歳以上の小児を含みます)
パーキンソン病とその類縁疾患


診療時間

月曜日・火曜日・金曜日
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9:10~11:00

学会、長期・短期研修など、水・木以外の休診日は、診療日時案内をご覧ください。

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恐れ入りますが、初めての方は、予約無しで、お早目の受診をお願いいたします。
お越しになる際は、必ず、時間に余裕をもっていらしてください。
認知症の診療には、多くの時間と手間がかかるからです。

また、再診で、予約の日に来られなかった方も、予約無しでお願いします。
混乱を避けるため、予約日時の取り直しは一切ご遠慮いただいております。

2017年から、1時間当たりの予約患者さんの数を減らし、以前に比べると、はるかに待ち時間は少なくなりました。


休診日

水曜・木曜
(毎週日曜・祝日診療)


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