お知らせ

日本神経学会学術大会 2014年速報(2日目)

日常に役立つ脊髄小脳変性症の診方

小脳の関連経路

そのどこからでも症状は生じる

人の小脳

プリキンエひとつあたり 100億以上のインプットがある
MRI 前葉後葉わかる SCDはhorizontal fissureHFより上方が障害されやすい
Primary fissurePFで前後わけられる

解剖と機能
旧小脳(小脳虫部および小脳半球の中間部分) 平衡
古小脳(小脳虫部)             体幹バランスと眼球運動
新小脳(小脳半球の側面部分)        運動の計画と感覚情報の評価

例74才F MRI
SCA31 HFより上が萎縮

FDG-PET
ふらつき軽症例では、PETをしている
実際の小脳障害あるかどうか判定に
片足立ちできるかどうかくらい MRIでは萎縮なしの例
PETではっきり障害が

運動失調なら 小脳性といっていい?

その前に
・責任病巣
 後索性
 前庭性
 合併 傍腫瘍性神経症候群

・Focalまたはsystematic?

・急性 慢性

・一時的 恒久的?

したがって
小脳失調→変性症と診断する前に鑑別診断

脱髄性 MS
白質脳症 いろいろ
自己免疫性 橋本 抗GAD抗体症候群 セリアック症候群 SLE SjSなどなど
傍腫瘍性症候群 肺小細胞がん・卵巣がん・MMK
中毒性 アルコール・一酸化炭素・重金属・リチウム・フェニトイン
代謝性 甲状腺
プリオン病 GSS <
ミトコンドリア病

鑑別に有用な検査
採血いろいろ
ビタミンE 甲状腺機能 リポ蛋白など

SCDらしいとなったら

どの程度の症状?
治療でも重要になる

病歴聴取
1、体幹失調のサイン
椅子から立ち上がる時にふらつく
階段下りるのが怖い
狭いところでぶつかる
自転車に乗れない
走れない
後ろから呼ばれて振り向くとバランスを崩す
洗顔でふらつくは後索性かも
暗いところで歩けない、はどちらともいえない

2、構音障害のサイン 電話で聞き返されるか?
これらから客観的に、発症時期・進行度が推測できる。

典型的小脳失調 ビテオ供覧

若い女性
歩行問題なし
閉脚立位
継脚歩行 はじめてふらつき
若いから異常だ
その方の4年後 普通の歩行でもふらつき 歩幅が一定でない

SCDの鑑別チャート

・孤発性  遺伝性 SCA(AD)    AR少ない
・純粋小脳失調型  多系統委縮型

孤発で純粋 CCA
孤発で多系統 MSA

遺伝性
ADで純粋 SCA6 31(日本固有)この二つが大部分
ADで多系統 MJD=SCA3 DRPLA SCA1、2など

AR 希少

地方により頻度は異なる
わが国でも

どこでも多いのはMJD=3、6、31 とDRPLA

CAGリピート病が多い

蛋白に翻訳され、ポリグルタミン 機能障害から細胞死に

・ポリグルタミン病
 BSA
 ハンチントン病
 SCD

・SCA31これは非翻訳型のリピート伸張病
 フリードリッヒ失調 これは特殊だが
 その他神経疾患さまざま
 SCA12 筋緊張性ジストロフィーなど多い

RNAの中で異常な高次構造ができている

・臨床に戻り
 有用な徴候
 表現促進 明瞭ならDRPLA
 錘体路
 Slow eye movement SEMの障害

V供覧
SCA6 74M
注視眼振 どの方向でも大きな振幅 

58F SCAR10 ダウンビート眼振
フレンツェル眼鏡かけても

MJDでは輻輳障害
ほほにツイッチ
上方視 この方は良い
輻輳は全く動かない

SCA2
外眼筋麻痺とSEM 追視の障害

治療

現行満足できるものはない
初期だとタルチレリン効果
TRH注射薬
磁気刺激
リハ
評価法

今後に期待
全く効かないわけではない
OPCAでタルチレリン 28Wでも56Wでも有意に効果

小脳機能定量化

運動記憶に注目した

プリズムをつけてダーツを投げる古典的研究
最初はずれるが、それをだんだん修正できる
しかし小脳障害があると、運動学習ができない
小脳外側に関連する?

その原理をタッチパネルに置き換えた
健常者では修正していく
SCDではいつまでもばらばら

まとめ

小脳失調症 鑑別難しい時も
遺伝子診断
病状評価
家系蓄積 家族のF/U

フロアから

磁気刺激、効果あるようだが、どれくらい続ける?
CCAでは磁気刺激が効果ある
しかしそれだけではやはり悪化するようだ

SCA3でGAD抗体陽性例がある IVIGで一時的に改善した
解釈困難だ

BPPVみたいなめまいを合併するMSAの人いるが。
事実あるが、BPPVのめまいよりは重症のようだ

眼振変わる例があるのでは?
そのとおり
眼振の向きが変わることもある
いい日悪い日もある
小脳と眼球運動 旧小脳との関連

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白鳥内科医院

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