お知らせ

日本神経学会学術大会 2014年速報(1日目)

神経内科CPC

臨床呈示

症例
家族性ADが疑われる
精神疾患の家族有
パーキンソニズムを認めた

46歳死亡
44歳発症
進行のはやいパーキン
両下肢痙性
中枢性喚気障害
体重減少
脊髄液5HIAA低下

母 神経疾患 詳細は?
妹 統合失調症と診断されていた

高次機能は?
詳細不明しかし大きな異常はない

ドーパ剤の使用は?
一時的にしか効果はなかった

精神症状は?
発端者は、精神症状はあまりない
妹は統合失調様
母はなし

夜間の異常行動?
CPAPは?
NIPPVはじめて、夜間の異常行動は改善
RBDというより、低酸素脳症?

舞踏様はない?
なし

画像説明

発端者46F
CXR OK
CT 皮下脂肪減少 筋量はOK 傍脊柱筋やや萎縮
頭部MRI 第3脳室やや拡大 被蓋周囲も
橋被蓋高信号 側脳室周囲 
SPECT 前頭側頭で低下 やや右優位
心筋シンチOK


側脳室拡大

ディスカッサント

鑑別診断
特徴 ADと思われる遺伝性
急速なパーキンソニズム
左バビンスキー
中枢性換気障害
画像ではSPECTで低下
錐体外路 錘体路 換気中枢
さらにSPECTで前頭側頭低下

家族内でいろいろヘテロな臨床像

3軸にわけて考える
1.中枢性低換気
ペリー症候群
体重減少ともなう
遺伝子の異常
海馬などには異常がないのが特徴
この例は、もっと障害が広い
しかし、PSPのプロフィールを示す例もある

2.SPECT
FTD
bvFTDの診断基準 満たさない
失行もないのでCBSにも入らない
低換気も非典型的

3.パーキンソニズム
fPD
ADのPDは何種類かある
シヌクレインの異常 早期に認知症も伴う 低換気も報告有 しかし低血圧や自律神経症状もともなう
この例は心筋シンチで異常なし

Park8
孤発性PDに似ている
しかし、臨床は多様

MSA
自律神経症状なし

GSS
MRI合わない

結果
SPECT重視ならFTD
ペリー症候群としては、痙性が合わなすぎ。症状がひろ過ぎ。

しかし、このどちらかではないか?

臨床とモレキュラーベースどうあわせるか?
病理に期待

病理解説

左半球で解剖 錘体路症状がでたのは右だが
局所的な萎縮はない
脳梁もいい
橋背側は着色有
淡蒼球も着色
視床下核
 ↓
PSP?
まずはタウ染めた
4リピートタウ
リン酸化タウ
封入体あり

アストロサイト
オリゴデンドロサイト

ユビキチン化した蛋白

ペリー症候群なら
TDP-43
染まらない 淡蒼球で

脳幹背側に注目
網様体 白質灰白質混ざるところ
脱髄 KB
神経細胞脱落

臨床との関連
PPN 脚橋被蓋 低下 歩行
縫線核 セロトニン低下 情動など
中枢性低換気 延髄網様体低下

背側びまん性にタウ沈着

黒質
レビー小体はない
タウ染まる

青斑核も
迷走神経背側核もタウで染まる

脊髄
外側皮質脊髄路核OK
網様体脊髄路が低下
脊髄前核もタウ沈着

結論
FTDP-17, PSP-like, suggestive

フロアから
白質病変は?
大きな異常なし
低酸素の影響もあまり認められない

とにかく延髄背側の障害がメイン

脊髄は?
索変性ではないか
明らかな下位運動ニューロンの変性はない(下記ALSとの関連で)

遺伝学的検討
解剖前はペリー症候群を想定

9家系報告
急速パーキンソン うつ 無関心 体重減少 睡眠障害 モーターフラクチュエーション
低換気
ダイナクチン1
DTP

しかし、実はタウオパチーだった
そこでMAPT遺伝子解析を追加検査した
Exon10 splice site +14 mutation

アイルランドからの報告

ウェスタン
4リピートタウ PSPと同じ性質

まとめ
ペリー症候群に類似
病理はPSP的さらに脳幹に広範 グリオーシス 高密度タウ

フロア
村山D タウは下位運動ニューロンとても気になるが?

突然死した理由は?
中枢性の換気障害が原因と考えているが、過去にそのような報告はない。

ペリー症候群とは?
2009年にDCTN1(ダイナクチン
1)が原因遺伝子として報告されたが、DCTN1は多くのエクソンからなり、解析には多大な時間と労力と費用を要すこともあり、報告症例は世界でもまだ数えるくらいしかない。日本においても、患者の実態、地域特異性、有病率等疫学的知見には乏しいが、複数家系が存在することが分かってきている。
Perry症候群は低換気を呈するとともにTDP-43の蓄積を示し、DCTN1変異はTDP-43プロテイノパチーとしての筋萎縮性側索硬化症(ALS)を引き起こすことも知られている。したがって本疾患は、稀で特殊と考えられている疾患から、広くパーキンソン病やALSなどの主要な神経変性疾患の根本的な病態解明の橋渡しとなる可能性をもつ極めて重要な位置づけにある疾患である。

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白鳥内科医院

〒430-0814 静岡県浜松市南区恩地町192
電話:053-427-0007  FAX:053-427-0005


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