お知らせ

第33回認知症学会

会長講演 神経細胞と脳の炎症

ClassⅡantigen

かつては
脳BBB
脳にはリンパ管がない
脳では主要組織抗原が発現しない

今では
BBBは動的と考えられている

脳のmicroglia
血管周囲細胞

液性因子
補体活性化
変性疾患でも
原始的には血液凝固で侵入微生物を防ぐ
老人斑でもトロンビン沈着
逆に線溶系も発現
補体活性化で脳の機能に影響が出る
炎症性サイトカインも
つまり炎症性因子は神経系の機能に関与

BBBとは?
多数の炎症関連因子が脳内で産生されている
血液脳関門輸送 アクティヴ 隔離だけではない
血管内皮細胞にもHLA-DR発現 強い炎症が起きたとき 炎症反応が伝播

T細胞
末梢免疫システムに比べれば働きは限られる

高度の炎症
ミクログリアが活性化されると神経細胞を変性させる

神経細胞は積極的に関与していないのか?
そのものが脳の免疫機構を調節
伝達物質が免疫系細胞を調節
ドパミンは抑制
つまり神経細胞が脱落すると、免疫抑制機能が低下する

全身炎症は脳に影響を与える
危険因子(変性など)+炎症、でせん妄などが起こる


若年性認知症と生きる人の臨床

若年性ADの特徴
進行が速く重い
3年でほぼMMSE数点に
コリン系の低下が激しい 死後 PETともに

介護負担
経済的影響
心理的 子供がまだ小さい 両親も

教員は仕事困難
会社勤務は何とか

男女
男性は仕事ができないとぶらぶら
女性は家事

軽症だと施設の受け入れが良くない
特に若年性だとBPSD心配

操作診断の問題
60代男性
急性発症の易怒性 被害的
脳炎を疑われた
鑑別 アルコール離脱
認知症
ステロイド中止に
MRIは良いが、側頭後頭SPECT低下 LBD疑い
アルコールの影響も
最初の時点では、脳炎を疑ってふつう

55才女性
お風呂に入る時のぞかれている
統合失調症と診断
しかしSPECTで頭頂後頭低下 LBD

操作的=横断的診断が故に誤診しやすい
縦断的時間軸で診断しないので
精神症状がでたとき、認知症の可能性を考える
症状形成は多層的
その途中で診断がついてしまう 操作的診断の限界

画像診断
VSRAD eZIS

若年性AD疑い
若年性だと海馬の異常はMRIだとでないことが多い

BPSD まずは薬の影響を考える

EBMとは万能と思われているが?
イギリスから、認知症のうつに抗うつ剤が効かない、とい論文が(イギリスは、国家予算的に薬をねるべく出さない傾向)でた。
しかし、本当にこの「うつ」という診断が正しいか、疑問。
アパシーを含んでいるのではないか?
アパシーにはSSRIが逆効果、というデータもある。
アパシーであれば、適応薬は、アリセプトやシンメトレルだ。

BPSDに向精神薬が効かない、というデータもある
しかし、よく読むと、脱落率で評価しているが、無効で中止と、効果はあるが副作用で中止、が大体同じ数がある。であれば、副作用を減らす工夫をすれば、無効とは言えない。
治療としては、メマリー、デパケン、抑肝散、向精神薬の順で考える。
日本でのデータは、すでに6か月以上投与されている患者さんでは予後は変わらない、しかし、新たに処方した場合は、たしかに死亡率が上がる。おそらく誤嚥や転倒が原因。


教育セミナー 1.認知症の生活障害から見た認知機能

アルツハイマーで見られる生活障害のどの段階で、介護者のうつが出やすいか?
もちろん認知症が進んで、BPSDがふえ、介護負担が増えれば出やすい。
しかし、陰性症状=介護者を認識できなくなったり、会話できなくなればふえる。
しかも、実は、最初診断を受けたときとも多い。

主訴のとらえ方は、多面的にしよう。
最初に「どんなことで困りますか?」と問診しますよね
本人は「困っていない」と答えることも多いが、さらに
「探し物が増えていませんか?」などと聞くと、「そうです」という人も
つまり「困っていない」=忘れたことを忘れている、だけではなく、大したことじゃないと感じていたり、周囲がサポートしている(よく介護できている)ので困っていない、などさまざまなケースがある

では家族が「同じことを何度も聞かれるのが困る」というのは?
忘れて何回も訊いているのかもしれないが、そうではなく、介護者にじゃけんにされているので、信頼していないから何回も訊くのかもしれない=親を信頼していない子どもと同じ

車で買い物に行き、帰ってこられない
車で行ったのを忘れたならエピソード記憶の障害
止めた場所が分からないなら視空間認知障害
検査すれば半側空間無視があることも

料理が同じものばかり
昨日何をつくったのかわからない
何を作っていいのかわからないなら実行機能障害
この場合罪障感があるかも
つまずく点を手伝おう

実行機能
目標を立て
計画を立て
実際に行う
ことだが、さらに
効率的に行う
ことも大切
たとえばデイに行く準備をするとき、「着替えを忘れているよ」
全部最初からつめなおしたりする
とても効率が悪い

若年性ADの方と鼎談をしたことがある
日常の暮らしでは、あたりまえのことが思いつかないことが多いので、オープン質問ではなく、選択肢を用意してもらえると助かる、ことがわかった
それで効率が上がる

メモを取るように助言しても、情報量が多いと無理

認知症外来で、最初に家族にSMQ、PSMS、IADLやってもらう
物忘れだけでなく、日常生活の機能に目を向けることが大切だと気が付いてもらうため
物忘れに気をとられて、日常生活機能の低下に気が付いていないことが多い

電気を消し忘れる
消したかどうかわからない エピソード記憶
スイッチの使い方が分からない 失行
「あ、忘れた」注意機能の低下

42F
予定を忘れるように
ADASはよかったが、リバーミードでは明らかに低下
ADだった
リバーミードは、検査者からの指示なく自発的に思い出さなければいけない項目があるので、負荷が高い=マルチプルタスク=感受性が高い

このような軽い若年性ADの診断では、本人の受け入れも大切
東大の脳外科医が診断されてから受け入れまで4、5年かかった
忘れる→不安、恐怖→自己嫌悪
新たな人生の構築が必要


教育セミナー 2.特発性正常圧水頭症の病態と臨床

・BBBの概念は以前と様変わり
・髄液循環・吸収も、絵物語ではなく、科学的に研究されている
・疫学調査では、65歳以上の1.1%に、画像上正常圧水頭症NPHを認める
・画像上NPHを認めると、4-8年後に半分はiNPHを発症した
・つまり、人口10万人当たり、250人はiNPHの患者がいる可能性があり、これはアルツハイマーよりは少ないが、パーキンソンよりは多い。
・しかし、病院の統計では、10万人当たり10人しかいない。(診断されていない可能性が高い)
・正常圧水頭症の死因は、肺炎が多い。合併症で多いのは慢性硬膜下血腫、おそらく転倒するから。アルツハイマ―の合併も15%認める。
・初発症状は歩行障害、認知障害はその後あらわれる。
・CSFタップテストで診断、感度は60%。
・画像診断は、高位円蓋部クモ膜下腔=脳溝の狭小化+シルビウス裂の開大(96%)、つまりDESH。
・DESHがあれば治療はLPシャントによるドレナージ。
・高位円蓋部クモ膜下腔=脳溝の狭小化は、2断面で脳溝が消失していることで診断
・SPECTでは、頭頂部で脳血流がハイに。組織がぴちぴちに持ち上がっているので、見かけ上↑。
・このConvexity APPArent Hyperperfusion;CAPPAHサインは、シャントで改善。
・歩行障害は、シャント術で改善
・一方、認知能はあまり改善しない、おそらくAD合併も多いから
・つまり特発性正常圧水頭症は、治療可能な歩行障害だ。
・認知症診療から見ると、物忘れ外来初診の3.5%が特発性正常圧水頭症という報告
・ただし、ほぼ歩行障害を伴う、認知障害だけの例はわずか6%に過ぎない。
・iNPHの剖検例では、67%にアルツハイマー病理を合併。
・では、認知障害は、特発性正常圧水頭症によるものか、アルツハイマーによるものか、どう診断するか?
・タウ病理を伴っていると(生検でタウ陽性、髄液でp-tau上昇、タウイメージング陽性)アルツハイマーによるものだ、Aβの蓄積だけではなんともいえないが。


教育セミナー 3.BPSDに対する向精神薬使用ガイドライン

専門医なのだから、向精神薬は使うにしても適切に使用が求められる、介護施設に頼まれたから使用、では不適切だ。


プリオン病 UPDATE

概念の歴史的変遷
実態
最新情報
について概説
・教訓 業者の言うことをうのみにするのはやめよう


認知症診療の神経画像

要旨
①高齢者では低侵襲が必要
②eZISは正常例が高齢者でもある、SPECT
③リガンドで違う
④MIBGは加齢の影響を受けることに注意が必要

①高齢者では、検査はひかえ目になりがち
・認知症で用いられる画像検査
MRI
SPECT これは工夫できるので②で詳説
MIBG
ドーパミントランスポーター
FDG、アミロイドPET

②eZISは、最近85歳以上89歳以下の正常例もデータベース化された
加齢で前頭葉は低下し、相対的に小脳は↑

③SPECT 99mTc と ECDの組み合わせが高齢者にはいい
半減期が短く少ない時間ででき、すぐプラトーになり、安定性が高いので、撮りなおしも可能だから

・eZIS SVA
Specific VOI analysis
初期アルツハイマーの診断に有効
VSRADと組み合わせると97%感度との報告

④MIBG心筋シンチ
パーキンソン類縁疾患、心不全、褐色細胞腫の診断に用いられる
MIBGはノルアドレナリンアナログとして交感神経終末にとりこまれ、生理活性は持たない
Planer像 H/M心・横隔膜比、その施設でしか通用しない

洗い出し率 ある程度施設間比較が可能

・注意点
三環形抗うつ薬やα,β受容体遮断薬の影響を受けるので予め中止に
高齢者では、H/M比が低下する


Neurobiology of AD, Biomarkers

緩徐進行性なので、臨床試験が困難
代わりにバイオマーカーで効果を測定
臨床診断が予想以上に困難だから
非専門医ではそもそも認知症であるという診断が半分以下しかできない
専門医でも認知症を臨床的に鑑別診断すると6割程度しか正確にはできない

早期診断は、主訴を持って来院した方に結果を告げると、不安が減る、といういい点もある
Q.なにも症状がない人では、別の結果では?
A.その通り


高齢者のうつ病

うつ病は風邪ではない
高齢者では、予後さまざま
うつと統合失調が混在することも
老年期うつ病は、特殊??
特徴
不安焦燥が強い=動きが多い
不安焦燥が強い=苦悶的
抑鬱よりも、心気症、思考停滞、忘れる、意欲の低下、自信がない
相手に合わせたよわよわしい微笑
身体症状を訴えることが多い
妄想が多い
自殺の危険性が高い、特に女性
仮性認知症=MMSEで2、3点下がる
せん妄

妄想性うつ病2つ コタール カタトニア
・コタール
不安
永罰観念
自殺
痛覚脱失
ない、という妄想
死ぬことができない
内臓がない

66F
内臓の動きがとまっている
57F
薬がおなかに残って上がってくる
否定妄想

・カタトニア
無言、混迷、拒絶
原疾患はうつが多い
多彩な幻覚妄想

DLB
67M
パ病で抑うつ、妄想、混迷
いいときはすっかりよくなる

うつ病と認知症
アパシーが診断できればいいのだ
本来全く異なるものが、鑑別困難?
精神運動遅滞 意欲減退 アパシー

症例1
56M
不眠 動悸
抗うつ剤で一時改善
妻が「ぼけてきたのでは?」と来院
MMSE29点
妻にADと告知してしまったが、Jリーグの試合結果、すらすら言える
誤診だった
双極性うつだった=今話題
・うつ病性仮性認知症
1.できない、ことを強調
2. 頻回な喪失体験の影響,
3.心気的・身体的訴えが多い,
4.抑うつ気分・悲哀を訴えることが少ない,
5.不安・焦燥が目立つ、遷延化しやすい,
6.認知機能障害を伴いやすい,
7.自殺率が高い

症例2
74F
介護した母が死亡
うつ状態
強迫症状
その後常同言語 「お父さんお父さん」 いなくなると呼び続ける
FTD

症例3
74F
夫の死後うつ気分
物忘れ
同じことを繰り返ししゃべる
朝は憂鬱
ドネで改善
MMSE経過で低下
AD

症例4
85F
死にたい 夫のところに行きたい
AD

症例5
69F
発語量の低下
やる気が出ない、しかし、他人事のように話す
SSRIで効果が出ない

アパシー
うつ病
高齢
前頭機能の低下

鑑別点
ADは比較的軽い
認知機能の低下
失語、失行、失認

LBD
幻視の次に抑うつ
治療 ドネ SSRI
井関Dの総説を

自殺
ほっといたら死んでしまう人が入院ではごろごろいる

どうしてうつが認知症の危険因子?
うつ病が認知症になる率は高いが、統計学的なことであり、病因論的には関係ないだろう


パ病の認知障害をめぐり 嗅覚障害との関連

高齢であればあるほど予後短い
最後の5年は、幻視と転倒
73歳以上だと8年で死亡
最後の5年は認知症になり施設に
単語再生と嗅覚障害が関連
嗅覚障害は予後予測因子
前頭葉から皮質、帯状回まで血流が低下
PDからPDDへのコンバート
ositJと錯線図での低下で予測可能?
扁桃体アミグダラの影響だろう

嗅覚低下は
主要な非運動症状
辺縁系を含む広範な代謝低下と関連
認知機能を予測
LBDのパターンは2つ?
嗅球から辺縁系に PDD・LBD

ADよりもPD・PDDの方がコリン系は障害
だけど抗コリン薬が使われていたよね
どこで効いている?
コリン系ドーパミン系 バランスの問題に帰着?

PDDへの早期介入
ドネはPD患者の転倒を予防?
注意投与となっているが
歩行速度を遅らせることはない

PDにドネを投与する研究 DASH-PD研究
結果は来年以降
現時点でわかっていること 嗅覚障害のあるPDにドネ5は安全だ


PDの認知機能障害とDBS

PDのDBSは、Opで認知症の危険がある


総合討論

1.PD-MCIの特徴
その検査は?
AD-MCIとの違い
コンバートしない人の特徴
言語異常のある人はなりやすい
教育歴は?指摘されていない
年齢は、関連
患者さんは困っていない?
トレマータイプでは認知症にならない?
新規発症で10年間観みたとき、関連なかった
途中で見るのと違うかも
歩行も認知の一つ?

いかに拾い上げる?
モカ J
どんなバッテリー?
ASR 視空間認知の検出にいい もともとFTD用だが
初期は実行機能、視空間認知が落ちるので、そこを検出
進行すればMMSEで十分評価できるまで低下

コンバーター
プレモーター期のうつと進行期のうつは違うだろう
初期のうつは抗パ剤で効果
アパシーは?
うつと無関係のアパシーは認知機能と関連

2.バイオマーカー
Aβ タウ シヌクレイン
インターアクションある
PDD特有のマーカー?
タウはPDDでは逆に下がる ADと違う

3.治療
ドネが認知だけでなく、歩行にもいい可能性がある?
どの時点で使う?
嗅覚が低下していたら使っていいだろう
しかし、現実、幻覚や認知低下がなければ使わない
むしろ調整のために早期から使う考え方も

4.DBS
淡蒼球の凝固術での認知低下は?
わからない
低下した時、刺激部位変える?


PDの早期診断治療

発症時にはニューロンは70%にいたる消失がある
運動症状の前に、非運動症状がでている
睡眠、嗅覚、ムード、自律神経

ニューロプロテクションの仮説
疾患の経過を変える治療
そのための早期診断
臨床、画像、バイオサンプル生化学

運動外症状
嗅覚
便秘
うつと焦燥
睡眠 昼の過眠・RBD
遂行機能障害

感度は高いが特異性は低い 上2つ
下2つはその逆

PDでは睡眠を誘発する物質が沢山出ている
昼間の眠気に関連

画像
DATスキャン
PD DLBで基底核の取り込み低下

78才M
ひとりぐらし 怒り出す
向精神薬
右上肢にトレマー
左で固縮
右基底核で低下
寡動・固縮と有意な関連
震戦はない

鑑別
PD
MSA
PSP
CBD
LBD
以上すべてSPECTでは低下
むしろMIBGが有用
2つの検査を組み合わせよう

臨床的にパ病でもDATスキャンで正常
SWEDDと呼ぶ
ドーパミン製剤が不要なようだ
PDと違うかも
ET、VaP、精神疾患などを含むのだろう

より取り込みの落ちている例では
ジスキネジアが生じやすい

シヌクレインノイメージング 研究されている

バイオマーカー
アミロイド タウ シヌクレイン
初期からPD-MCI多い
20-30%で認知機能低下が初期からある

震戦型では、認知症が出にくい
Aβ、タウ下がらない

臨床
非運動
バイオ
遺伝

早期治療
疾患モディファイする明らかなものはない

早くから治療すべきかどうか?
症状は早期でも、病態はかなり進んでいるよ
非運動はかなり出ていたり

どうして症状はなかなか出ないのか?
代償的機能があるから
そこを強化できないか?

早期に介入した例では、Tempo研究 あとから介入した例ではおいつかない
長い経過で見ると

QOLはどうだろうか?
治療群の方が、患者さんの主観でもいい
遅らせることの利点は明らかにはない

治療の選択肢は?
高齢や精神症状があればドーパだが
そうでなくても即急に当面改善したい場合もドーパだ
仕事に支障とか

アゴニストでは、効果が不十分なことが多いから議論になる

この5年間でドーパの使い方はどう変わったか?
ドーパ剤に神経毒性があるという説が消え、実際増えている

しかし、ジスキネジア、ウェアリングオフが長期でまず必発するのは事実
400mg以下では比較的少ない

若年、低体重、女性、UPDRSパートⅡ高値が危険因子

ドーパとアゴニスト
長期RCT
運動合併症は有意差があるが、アゴニストも0ではない

CDS パルス状の刺激が合併症の原因?
徐放性 貼付剤

生理的には、24時間一定量のドーパ、必要な時ドバっと出る
PDでは夜下がる
ドーパの底上げには徐放アゴニストが適当

ロチゴチン
経皮 消化管を介さない
24時間安定
D1-5までブロードに刺激
D1 基底核と皮質
D2 基底核

排尿
睡眠
疲労
嚥下
認知
以上はD1

昼間の眠気はD2アゴニストでは改善しない

中途覚醒
徐放剤からロチゴチンにかえ、減った

D1. 2 familyでは認知機能の低下を抑制
プラミペキソール
ロピニロール
ロチゴチン

MAOBI
初期治療の可能性
NICE研究

問題点は
単独では効果が不足
ジスキネジア
SSRIなど併用薬が禁忌多い

それでも軽くて認知機能低下がない時は、第1選択が可能


認知症の脳を観る

朝長先生 1976
小脳プルキンエで加齢の影響を見た
女性はもともと神経細胞の数が少ない
1秒で1、2個神経細胞が脱落する
1日ではすごい数
シナプスも減る
逆に出てくるもの 老人班
新皮質ではAβ
NFT
古い皮質 海馬から タウ 神経細胞の殺し屋
タウがたまらないと認知症は出ない
PETはある意味病理の仕事だ
タウはあるが、はっきりした認知症がない例
Aβはたくさんある 10年後はADでしょう


前頭側頭葉変性症

本日のアジェンダ
・FTLDの分類と疫学
・FTD 診断基準と症候学
・PPA 診断基準 PNFAとSDの症候学 問題も多い

分類
最初はマンチェスター 1996
現在でも病理的にはFTLDという用語使われる

SD=FTLD-TDP
他は病理さまざま

日本では欧米と違い遺伝が少ない 特にAD常染色体優性遺伝はない
アジアでも

FTD
マクロでも前頭葉に線を引いたように萎縮、PET低下
診断的特徴 ニアリ 1998
しかし特に神経内科医には抽象的でわかりにくい

bvFTD国際コンセンサス 2011 brain
DSM5もこれに準拠
さらに遺伝子診断が含まれたくらいの変更で

前頭葉の症状=陰性徴候 アパシーなど
その後ろの機能の暴走にわけて考える
辺縁系 大脳基底核 後方連合野と3つさらに分ける

前頭葉そのものの症状
アパシーかなり初期から
あることには固着するが、それ以外はぼーとする
ほぼ全例 注意深く訊く

初発症状
AD 記憶障害
SD 言語
bvFTD 常同行動か意欲の低下

アパシーはどんな認知症でも多いが、特にFTDで多い
華々しい症状に隠れている
詳しく訊く必要 見逃さないために

心の理論の障害
自己及び他者の心を読む
共感の低下
夫婦仲が悪くなり、離婚することも

辺縁系の抑制の低下
車間距離維持できない=つられる
信号無視=理解はしているがハンドルを握るとつっこんでしまう
高速道路逆走
わき見運転=固着
事故を起こす率はADより高い
ADでは迷う、車庫入れ下手

常同行動
時刻表的
暴力が出るのは、この生活がさえぎられたときだけ
本来暴力的な疾患ではない
軽いうちに、適応的な行動を盛り込むのがケアに大切
最初のうちから入浴のパターン化をする
すると病気進んでも入浴できる

生活日記をつける
問題が起こりそうなことが早めにわかる
SDであれば言葉のリハになる

散歩
反復行為 手を叩いたり
常同行動の評価 初期から注目

PSP
精神科に来る例は、行動障害がある
bvFTDと初期は誤診されることも
神経徴候が出ないうちは
周遊行動はどちらもある
しかし食行動に異常はFTDにだけ多い

食行動
まずは過食
FTD SD ADの順に食行動異常
ADは食欲低下

甘辛いものが好き
DMの危険性が多い
しかし、採血も拒否することが多いので、昏睡になることも

嗜好の固定化
同じものばかり食べる

食行動異常は90%以上みられる

後方連合野への抑制がはずれる
環境依存症候群
被影響性の亢進
言語であればオウムがえし
短絡的で反射的
『真似しないでください』といっても、真似し続ける

PPA
Primary progressive aphasia
診断には、
認知症の中の
失語症の中の
という二つの流れがある
進行性失語と診断したらSD PNFA LAとタイプ分け
しかし、右側頭が先に萎縮しだすと、行動異常が先に出るので、診断から漏れる例が増える

PNFA
失文法または、音韻性錯誤、失名辞(鍵とはいえなくても、指さして「鍵ですか?」と聞けば即答できる)

ケア
初期は行動異常が出ないことが多い
7年くらい言語症状だけ
そのためうつが出やすい
構音障害のリハ
嚥下障害
筆談の利用
PCの利用

SD
右から左からで初発症状が違う
語義
呼称障害 言えない
単語理解 水を差してください できない
2方向性の障害

右から始まると
興奮
Prosopagnosia
これが言語より先に出てくる
すると診断基準に入らない
病理学的には均質なのに問題だ

ケア
新しい言語は獲得できない
使いなれたコップなら言える
新しいコップでは言えない
まだできて、重要なのを繰り返す

常同行動の利用 ルーティン化

FTLDの治療ケア
非薬物治療
常同行動や過食がトラゾドン、フルボでやや改善
メマリは議論あり

欧米では40%遺伝
タウ除去薬の治験

環境設定が重要
重度認知症ケアに
スタッフがいるから
最初は1対1対応が大切
静かな環境でスタート
だんだん集団に
最初から集団は無理

さいせん泥棒など抑制できない
その場合短期入院で環境を変える
すると常同行動のパターンが変わる
デイの導入

熊本でのアウトリーチ
若年性とならんで受け入れ先が少ない
訪問支援
周辺部は受け入れ特に困難

症例 女性
2年前から知人にあいさつしない
顔が分からないので
花の名前が出ない
右側頭葉優位の萎縮
呼称53/90

主訴 言葉が出ない
「お父さんこれなに」だんなも参る

言語療法
カード作る
写真の裏に名前を書いて、毎日おなじ時間に
MMSE28点だから自分で訓練できる
デイでたんたんと言語訓練
集団行動は決してしないが

料理が作れない
ものの意味が分からないから
切り方が分からない
宅食サービス
具材が切ってあれば、少しの助言で食事が作れる
自信ができた

来年9月熊本で学会があります

Q.時刻表的行動は、時計がなくてもあるようだが
A.時計を絶えず見ている方、逆にそうでない方も

座長から
反社会的行動、暴力はFTDの注目ポイントではないことが明らかに


東洋医学

ADの新たなスクリーニング検査

認知症の半分はAD
簡易診断
記憶
見当識
立方体模写

構成失行
どこを見ているかを検討
眼球運動をトレース
そもそも注視できない
なぞることはできる
子供もきょろきょろ
81才 模写できないが、眼球の動きはふつう
ADだと注視点が定まらない
子供帰りの面がある

Me-CDT
近時記憶・見当識+CDT
感度 特異度 どちらも高められるのでは?
CDT 特異度は高いが感度は低い
見当識はその逆

PCに向き合ってもらう
簡単な設問いくつかとCDT
最近の報道=意味記憶
シャルマン方式でスコア化

BPSDの薬
リスパ PDの幻覚でも
セロクエル ルーラン

漢方薬

抑肝散加陳皮半夏 消化管に良い
物忘れにもいい
美しく対を形成している薬剤
クラシエ白朮
ツムラ蒼朮

消化器症状
より虚な人で適応

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白鳥内科医院

〒430-0814 静岡県浜松市南区恩地町192
電話:053-427-0007  FAX:053-427-0005


主な診療内容

物忘れ(認知症)外来
頭痛外来(6歳以上の小児を含みます)
パーキンソン病とその類縁疾患


診療時間

月曜日・火曜日・金曜日
9:10~11:00
15:30~17:30
土曜日・日曜日・祝日
9:10~11:00

学会、長期・短期研修など、水・木以外の休診日は、診療日時案内をご覧ください。

現在、予約は再診患者さんで若干込み合っている状態です。
恐れ入りますが、初めての方は、予約無しで、お早目の受診をお願いいたします。
お越しになる際は、必ず、時間に余裕をもっていらしてください。
認知症の診療には、多くの時間と手間がかかるからです。

また、再診で、予約の日に来られなかった方も、予約無しでお願いします。
混乱を避けるため、予約日時の取り直しは一切ご遠慮いただいております。

2017年から、1時間当たりの予約患者さんの数を減らし、以前に比べると、はるかに待ち時間は少なくなりました。


休診日

水曜・木曜
(毎週日曜・祝日診療)


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