お知らせ

日本神経学会学術大会 2013年速報(3日目)

2013年5月31日 血管性認知症とアルツハイマー病の共通病態と鑑別診断

富本Dr

アルツハイマー病と混合型は高齢になると増える
たまたま合併するだけではない
AD with CVD
Mixed demntiaの定義

アルツハイマー病理と血管病理 相加的効果 ナン研究 HAAS 両方あると発症しやすい
ADでは高血圧性脳小血管病変の合併が多い 穿通枝 白質病変

ビンスワンガー病
白質病変で認知症

タイプ1 高血圧性小血管病変
タイプ2 アミロイド血管症
脳小血管病 1と2

アルツハイマーとの関連
血管だけにたまれば脳血管症

血管性認知症との関係
(1)MID
大血管の閉塞によって大小の脳梗塞が多発し認知機能障害を呈する多発梗塞性認知
症、皮質領域主体
(2)SIVD(subcortical ischemic vascular disease)とCAA
小血管病変によって認知症を発症する小血管性認知症(Small vessel disease with dementia),SIVDとCAA これが半分 SIVDはビンスワンガーとラクナ― 皮質下が主体
(3)ストラテジック
記憶に重要な部位の障害によるStrategic single-infarct dementia
の3 型が基本形
*参考
穿通枝領域の細動脈硬化は、血管壊死(angionecrosis)、リポヒアリノーシスなどと呼ばれ、ラクナ梗塞や出血の原因となる。いっぽう、白質の髄質動脈では中膜平滑筋細胞の変性と
中外膜の膠原線維の増生がみられ、フィブロヒアリノーシス(fibrohyalinosis)と呼ぶ。Fibrohyalinosis では血管内腔の閉塞はまれであるが、血管反応性が低下するため白質組織の慢性低灌流の原因となる。これらの細動脈硬化は、高血圧を共通の基盤として発症するため、白質病変とラクナ梗塞は通常は混在する。以上の事実を背景に、ビンスワンガー型脳梗塞と多発ラクナ梗塞性認知症を総称し、SVD の名称が汎用されるように。

ADとSIVDの症状
AD 記憶障害
SIVD 前頭葉 抑うつ アパシー 歩行障害早期から
典型例では歩行障害でわかる

ラクナ梗塞数と実行機能障害
ADと混合型 鑑別できる?
AD 記憶 血管性 実行機能障害 しかし混合はAD的なので鑑別できない

つまりADとAD w CVDは鑑別困難

VDとVCI(血管性認知障害)
1.多発梗塞性認知症
2.局在病変型梗塞認知症
3.皮質下血管性認知症(SIVD)
4.CADASIL
5.低酸素・低灌流による認知症
6.脳血管障害を伴うアルツハイマー病
7.血管性軽度認知機能障害
*参考 繰り返しになるが、混同しやすいところなので
このなかで,SIVDは,「小細動脈硬化を背景とする小血管病」であるビンスワンガー病と,多発小梗塞(ラクナ)性認知症が含まれる.前者は白質が主として侵され,後者は穿通枝領域の小梗塞が主体となる.しかし,両者は厳密に分類することは困難であり,白質と穿通枝領域の病変を合併することはしばしば経験する.これらの疾患では血管因子を背景として緩徐進行性に認知機能が低下することが多いといわれている.

脳小血管病の画像診断マーカー
1型 ラクナ 白質 微小出血
2型 皮質下出血 白質

1型 angionecrosis  ラクナ
    fibrohyalinosis びまん性白質病変

皮質下血管性認知症

白質病変は 脱髄 軸索障害 グリオーシスからなる
危険因子となるのは 年齢 高血圧が2大因子
その他
DM たばこ 心血管病変
女性
人種

白質病変と認知機能
実行機能
ワーキングメモリー
緩慢化

白質病変有でも認知症なしがしばしば経験
白質による認知症には天井効果?

血管性認知症では白質病変でBBB障害

MRIでは
最初はフレアであらわれる
軸索障害があるとテンソルでも

2型 アミロイドがたまる
ADでは進行したCAAをともなう
白質病変 皮質出血 
1.脳葉型微小出血
アミロイド沈着

脳葉型微小出血で一過性に症状でることも
頭痛など
TIAと診断してアスピリン出したら出血してわかった

2.皮質型SAH
珍しいがたまに遭遇
アミロイド沈着
TIA様症状で出ることも

3.皮質微小梗塞CMI 数十ミクロンから最大4mm
後頭葉に多い
ボーダーに多い 血管の境界
MRIでCMIs 3Tでわかる 経年的に増える
ある患者さんのお母さんの脳剖検 アミロイド 微小梗塞あり
家族歴ある例

皮質微小梗塞CMIと普通の皮質梗塞の違い 出血伴うかどうかで鑑別

CAA関連 脳葉型出血
てんかんおこした

歩行障害ある認知症例
ラクナ 白質病変 MRIで
微小梗塞を探すと cSAHも見つかることが
1型も2型もある
1年後、SPECTでADパターン
CAAとSIVD ともに進む

1型と2型 共通
神経細胞は血管周囲からドレナージ
1型がおこるとその流れがだめに
したがって2型もその後おこる

髄液マーカー
AD Aβ タウ
VD BBBのリークが起こるのでアルブミン比が上がる

SIVDとAD
典型的には鑑別
SIVDでは高血圧性
ADではCCA
高齢者 脳葉型MBs cSAH CMIs

微小血管病変1、2は SIVD ADそれぞれに対応

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