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パーキンソン病とレビー小体型認知症―分子病理学アップデートと精神症状の対処法―

  • パーキンソン病は、アルツハイマーに次いで多い、神経変性疾患である。日本で20万人の患者がいる。
  • 初期症状として、嗅覚低下、便秘(自律神経)、レム睡眠行動異常、運動症状、と進展していく。
  • 非麦角系非麦角系アゴニストのうち、ビシフロールとニュープロ・パッチはD3に作用するので、むずむず脚症候群にも効果がある。
  • ビシフロール(ミラペックス)は、アンヘドニア(無快楽症)やうつにも効果がある。
    しかし、D3刺激は、眠気や認知に悪影響を与えるので、パーキンソン病に伴う認知症(PDD)/レビー小体型認知症(LBD)にはよくない。不安が減るため、病的賭博の引き金になることもある。逆に、急に中止すると、不安・パニックに陥ることがある。
  • D2/D3受容体
    VTA(中脳腹側被蓋野)→mesolimbic tract(報酬系)
               →mesocortical tact (統合失調症で侵される)
    VTA→NAc (側座核) 快楽系の強化 衝動が抑えられなくなる
  • レキップは、非麦角系ではD3への作用が少なく、ドーパミンとプロファイルが似ている。
  • 症例 44歳男性 左優位のパーキンソン病 l-DOPAのみの投与で改善しない、レキップ6mg追加し1ヵ月で改善。
  • パーキンソン病(PD)のうつの治療薬
    ・TACs せん妄でやすい
    ・SSRI セレギリンとの併用禁忌
    ・ビシフロール(ミラペックス)
    ・ニュープロ・パッチ
    ・アリセプト(ドネペジル)
  • レビー小体型認知症
        認知症に有効な薬 リバスタッチ、ドネペジル
        睡眠に効果    メマンチン
        逆に、抗精神病薬、抗パーキンソン病薬は注意が必要
  • α―シヌクレイノパチ―とは
    α―シヌクレイン抗体で陽性に染まる変性疾患の総称
        レビー小体(神経細胞に凝集) PD PDD/LBD
        GCI(グリア細胞体内封入体)多系統委縮症
  • レビー小体型認知症は、アルツハイマーに比べると海馬は侵されにくいが、中脳脚橋核/背外側被蓋核の中脳コリン作動性神経細胞核群が脱落
  • 脳幹部の神経細胞にαシヌクレイン蛋白が蓄積し、レム睡眠時行動異常(RBD)からPDD/LBDに進展?
  • レビー小体型認知症の妄想・幻覚には、ドネペジル3-5mg程度で効果(リバスタッチ)
        夜間の行動異常にはメマンチンが効果
        しかし、まずは、最近加えた薬を中止する
  • D3刺激は、無快楽症には効果 幻覚にはよくない
  • RBDにドネペジルが効果のあることも
  • PDのうつの治療
    USAでは63%でSSRIが使われる
    ADLの低下が、自殺に関連する?
    SSRIは、無関心は改善しないどころか、誘発する?
    レセルピンがいいという作用機序は小胞体にノルアドレナリンが取り込まれるのを阻害することで神経終末においてノルアドレナリンが減少し、鎮静作用、血圧の下降、心拍数の減少などが起こる
    しかし、自殺企図のある人には禁忌
    (註 商品名アポプロンで日本にもあるが、あまり使われていないだろう)
  • PDのすくみ足には、サインバルタ(SNRI)が有効 うつにも
  • α―シヌクレイノパチーは原則的には末梢から中枢神経に拡がる
        しかし、中枢から末梢に拡がるタイプもあり、皮質型LBDに相当。
        この場合は、MIBG心筋シンチが陰性になるのだろう。

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白鳥内科医院

〒430-0814 静岡県浜松市南区恩地町192
電話:053-427-0007  FAX:053-427-0005


主な診療内容

物忘れ(認知症)外来
頭痛外来(6歳以上の小児を含みます)
パーキンソン病とその類縁疾患


診療時間

月曜日・火曜日・金曜日
9:10~11:00
15:30~17:30
土曜日・日曜日・祝日
9:10~11:00

学会、長期・短期研修など、水・木以外の休診日は、診療日時案内をご覧ください。

現在、予約は再診患者さんで若干込み合っている状態です。
恐れ入りますが、初めての方は、予約無しで、お早目の受診をお願いいたします。
お越しになる際は、必ず、時間に余裕をもっていらしてください。
認知症の診療には、多くの時間と手間がかかるからです。

また、再診で、予約の日に来られなかった方も、予約無しでお願いします。
混乱を避けるため、予約日時の取り直しは一切ご遠慮いただいております。

2017年から、1時間当たりの予約患者さんの数を減らし、以前に比べると、はるかに待ち時間は少なくなりました。


休診日

水曜・木曜
(毎週日曜・祝日診療)


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