(1)ストレス、女性ホルモン、天気、空腹、臭い(香水)などが片頭痛のきっかけになる。
特に日本人は、臭い過敏が多いようだ。
日本人では63%、海外では25~40%。
(2)それに基づいて、片頭痛スクリーナーが作成された。すぐれものだ。
(3)前兆をともなう片頭痛の発症、一峰性。
片頭痛を伴わない前兆の発症、二峰性。
(4)三叉神経血管説。
血管説の復権。なぜなら、側頭動脈押さえると改善するから。
(5)イミグランのジェネリクスが出る。
マイランもその中の一つ。
(6)痛みの分類
・急性/慢性
・侵害受容性疼痛片頭痛
・神経障害性疼痛帯状疱疹、アロディニア→中枢性感作→肩も痛む
・心因性
dopa下行系の抑制・障害が片頭痛ではある
なぜなら16%にむずむず脚症候群がともなうから。
(7)新規薬
cGRP受容体拮抗薬。 肝機能障害で日本での治験は進んでいない
ボツリヌス毒素。 慢性片頭痛に効果あり
NSAID(ナイキサン)+トリプタン 特に生理の時
Zeltrix
LEVADEX
5HT-1F agonist
(8)慢性連日性頭痛の多くは薬物乱用頭痛
片頭痛とうつは互いのリスクファクター。これにはうつ病の部分症状として頭痛が現れる場合や、頭痛によって二次的にうつが生じる場合、同一患者にうつと頭痛が共存する場合などが考えられる。特に片頭痛は3つ目の共存症としての報告が多い。これらが共存する理由として、痛覚伝達とその受容経路が感作されることにより過去の痛覚刺激経験記憶が変容して最終的にうつに至るLimbically augmented pain syndrome(LAPS)やドーパミンD2受容体遺伝子型との関連などが考えられている。また片頭痛から薬物乱用頭痛に進行するメカニズムとして、セロトニンやドーパミンの関連も報告されている。薬物乱用頭痛患者ではうつ病を有している患者割合が58.2%と片頭痛患者の2.5%より高いことも示されている。
(9)難治性片頭痛Refractory migrane
片頭痛発作時には三叉神経血管系の神経原性炎症と中枢の感作現象がおこっている。片頭痛の慢性化とは,急性発作時におこっている炎症と感作現象が慢性化したものであると考えられている。神経原性炎症は三叉神経血管系の過敏性をもたらす。神経細胞が反復性に活性化し,三叉神経尾側核の侵害受容神経に生物学的・機能的な変化を惹起し,神経の発射域値が低下し,受容野が拡大すると考えられている。神経感作現象は臨床的には皮膚アロディニアの出現と相関しており、CMやMOHで出現頻度が高い。慢性化のリスクファクター。
前頭葉、帯状回が活性化されている。
損害回避の高いこととの関連。
* 参考「損害回避」。損害回避が高い人は、「石橋をたたいて渡る」と言う言葉に代表される慎重で堅実ですが、緊張しやすく、先のことを思いわずらう傾向があり、ものの見方が悲観的で、うつ病に非常になりやすいタイプ。逆に、損害回避が低い人は、楽観的で、警戒心がなさ過ぎて失敗することもありますが、非常にうつ病になりにくいタイプです。もっと言うと、あまりにも楽観的過ぎて、周りの人が気をもみ、周りの人にストレスを与える可能性があります。
このうつ病になりやすいタイプの人が、うつ病にならないように、性格を変えようとすることは、逆に、ストレスになります。自分の性格を理解し肯定したうえで、ストレスから逃げる方法を見つけるのが現実的。
フロアーから。
片頭痛と妊娠、出産
32F。
妊娠の可能性あれば、非薬物療法、胎児に影響少ない薬物を。
なければ、デパケン、万一に備えるなら、葉酸を服用してもらう。
ある日突然妊娠、ということもあるから。4~8週が一番危険な時期。
・妊娠中は頭痛の頻度が減ることおおい。
屯用、アセトアミノフェン、イブプロフェン+トリプタン
予防薬、βブロッカー、少量のトリプタン(日本では使わないことおおい)
薬物乱用頭痛
29F 1年前からOTC毎日服用。SRQ-D(
http://www.japc.or.jp/utsu/SRQtable.html)
20点。 トリプタノール、ミグシス・テラナスで頭痛のない日が増えた。
薬物乱用頭痛の90%にうつ病が伴うというデータも。
持続性片側性頭痛
40F、事務職。
もともと片頭痛と緊張型頭痛。
8月から、左側頭部から頭頂部にかけぴりぴりする痛み。涙も出る。受診。
入院して調べたところ、時間帯に関係なく、痛みの程度は変化。涙も並行。
カフェルゴットと100%O2無効。インドメサシン有効。
診断は持続性片側性頭痛。
解説:持続性で、必ず片側性に起こり、インドメタシンが有効な頭痛
診断基準:
A. B-Dを満たす頭痛が3ヵ月を超えて続く
B. 次の特徴をすべて満たす
1. 痛みは片側性で、反対側に移動しない
2. 毎日連続してみられ、痛みが消失する時期がない
3. 程度は中等度であるが、増悪して重度の痛みとなることもある
C. 頭痛増悪時、頭痛側に次の自律神経所見のうち少なくとも1項目がみられる
1. 結膜充血 または 流涙 (あるいはその両方)
2. 鼻閉 または 鼻漏 (あるいはその両方)
3. 眼瞼下垂 または 縮瞳 (あるいはその両方)
D. 治療量のインドメタシンで完全寛解する
E. その他の疾患によらない
Sjaastad の命名
頭痛は厳密に片側性
持続性
中等度以上の痛み
毎日持続
indometacin に劇的に反応
TACとの関連。
フロアとの討論
薬物乱用頭痛の30%は改善しない。トリプタノールは(1)睡眠障害の改善(2)下降抑制系の補強、という機序。最高で60mgまで使用。抗うつ剤としての利用と量が違う。吸収の悪い人もいて、20mgくらいは試す必要がある。(当院では5mgから開始している)
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