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第46回日本てんかん学会出席(1日目)1日目 午前の部

1日目 午前の部

1-1 てんかん発作の分類と、発作の見方

歴史的なてんかん分類 2010年にILAEが新たな分類を提唱したが、いまだに1981年の分類が便利で、使われることが多い。

Ⅰ 部分発作
意識障害なし 単純部分発作 SPS
意識障害あり 複雑部分発作 CPS
両側けいれん性発作に進展する 二次性全般化発作 sGS

II 全般発作
強直=ぎゅー
間代=ばたばた
欠神(定型・非定型・特徴を有する欠神[ミオクロニー欠神、眼瞼ミオクロニー]
ミオクロニー
脱力

○定型欠神
子供に多い型で、5~15秒の短い意識消失発作が起こり、そのあいだ患者さんは今までしていた動作を一時的に止めてじっとしており、再びもとの動作にもどります。プチマール (petit mal)ともよばれ、持っているものを落としたりします。非定型は、それだけで起こることは少なく、大きな発作の合間にぼーとすること。

○ミオクロニー
顔面、四肢、体幹などの筋肉に短時間のピクッとした動き。

○脱力発作
頭部、体幹、四肢などの姿勢を保つのに必要な筋肉の脱力が短時間発作的に起こり、尻もちをついたり、ガクッと頭を前にたれたりし、同時に瞬間的な意識消失を伴うものです。

代表的な症例3つ
(1) 小児欠神てんかん
6~7歳に多く、女の子にやや多い。1日に数回、ピク。数秒意識がなくぼーとする。授業中なら、ぼーとしている子供、で片づけられそう。知能に影響はないが、学習には影響が出そう。発作は過呼吸症候群で誘発されやすいということで、風車を患児にふかせて誘発するビデオ多数。

(2) 海馬硬化をともなう側頭葉内側てんかんMTLE
CPS。前兆 気持ち悪さ デジャヴ→自動症 →GTC 前兆を過ぎると思い出せない。

(3) 非痙攣性てんかん重積状態(NCSE)(症候性で、MTLEではない代表)
「いつものようでない」状態。GTCに進展することも。閉経後の女性に多いが、若い人でもなる。

1-2 小児のてんかん発作

*乳児の場合、習慣性動作、たとえば頭を枕に打ち付けたり、てんかんと間違えられることがある。モロー反射との関連。

ヴィデオ
*全般発作6つ
(1)GTCS ホームヴィデオ有効
(2)Dravet 1。ミオクローヌス→GTC 2.ミオクロニー
(3)ミオクロニー失立発作てんかん(Doose症候群)
(4)absence 過呼吸で誘発
(5)レノックス・ガストー症候群
(6)West症候群 点頭、前屈、スパズム、ぐっと曲げる モローとの違いは不機嫌でいやそう、数秒だが何回もシリーズ形成する。仰臥位だと全身ピク、座位だと前屈、泣く、 点頭と手の拳上のみの発作→EEGで診断

*部分発作
左右差に注目
(1)良性乳児てんかん focal motor 群発で発症することも、 偏視→EEGでのみ診断→Op
(2) 眼球部 頭頸部→Op
(3) 視床下部過誤腫 笑い発作(感情のない笑い、口角があがる、不快感、直後泣いたり)→Op、思春期早発が合併することも、
(4) Rasmussen 症候群発病年齢は平均7歳 で小児期に多いが、成人でも発病することが。

【発病のころ】
かぜなどの感染症やワクチン接種から2週間くらいして起こることが40%くらい。青年期では精神症状も見られることがあります。発作は徐々にですが減少します。

【原因】
かぜなどの感染症に伴って、ウイルスを退治するために活性化された細胞傷害性T細胞(リンパ球の一つ)が、ずっと活性化したままで、脳の中にも入り込んで、神経細胞を攻撃してしまうことによります。

【診断】
1)感染の後などに、2)徐々に増加してくるてんかん発作、3)一側の半球障害に基づく片麻痺や視野障害、4)脳波検査での一側の半球の徐波、5)MRIでの病変の特徴(消退を繰り返したり場所が変化したり)

【治療】
抗てんかん薬の治療に加えて、1)ステロイドパルス治療、2)ガンマグロブリン療法

1-3 てんかん鑑別診断における、発作時ビデオ脳波EEGモニタリングの有用性と限界

*偽発作(PNES心因性非てんかん性発作)や失神、RBDレム睡眠行動異常との鑑別に有用
(1)30F、25歳で痙攣治療開始。しかし、発作はなおらない。 発作は長く20分以上続き、不自然。EEGは正常。母と娘の共依存。非てんかん性痙攣発作の場合は目を閉じているものがほとんど。
(2)27F、 いろんな発作だんだん激しくなる。これも20分以上続く。EEG正常。下線はPNESの特徴。
(3)53M、45歳SAH後。
(4)38F、VTによる失神だった
(5)92F、ピクンとするミオクローヌス発作。意識はある。2時間以上。EEG徐波。スパイクなし。LEVで改善。(ガバペンチンは悪化させるので禁忌)
(6)70M高齢、右手動かす。EEGはREM期なのにEMGが出ている。RBDだった。
(7)37F、ミオクローヌス+PNES
(8)41F、小3でてんかん、入院で性格変化。TLE。発作時はおうむ返しはできる。発作後のもうろう状態が目立つと分かりにくい。

1-4 小児の発作、EEG

*小児てんかんには特徴がある。多彩な症候群。
*全般
(1)4M、典型的な欠神absence 3Hzのspike and wave complex 過呼吸で出て、治ると直前の動作続ける
(2)3M、L-G 非典型的欠神 2Hzの徐波SWC
(3)14F、眼瞼ミオクロニアJeavons症候群 目がぱちぱち、欠神伴う、両側広範囲に不規則な多棘徐波。
(4)8M、男に多い(JME典型例との違い)。Myoclonic absence seizure
(5)3M、Myoclonic seizure L-G、全身のぴくつき、E多棘徐波。筋電図EMG多い。
(6)L-Gの強直発作。両上肢拳上、眼球上転。
(7)脱力発作。バタンと倒れる。てんかん性転倒ドロップアタック(脳梁を介する左右同期性てんかん波による)との違い。E周波数の変化に注目。
*部分
陰性ミオクローヌス、突然始まる短い筋緊張の喪失とそれによる脱力、失立。膝おれ。

1-5 成人の発作、頭蓋内脳波

*「ビデオ脳波モニタリングユニット」EMUが6床ある病院。
*全般てんかんの代表例 JME、小児でも出てくるが、高校生くらいでもあり。
(1)16F。 両手がぴく、とする。朝に多い。全般性3~5Hz 棘徐波複合。
(2)21F。同じく手がぴく。
*部分
(1)44F。TLE。前兆→自動症、右手もぞもぞ。左は動かさない→ジストニア。
(2)24F。TLE。前兆→自動症、右足もぞもぞ→左足ジストニア肢位。
(3)51M。睡眠中に笑い発作と近位筋に粗大な動き。前頭葉てんかん。
25%は非侵襲脳波だと焦点がわからないので、一部では侵襲脳波が必要。MRIで異常がなくても、異常側を診断できることがある。

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白鳥内科医院

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