宇川 義一
福島県立医科大学病院神経内科
不随意運動とは?
不随意運動とは随意的でない運動となるが、では、随意運動とはなにかという事になる。一般的には、“本人の意志とは無関係に、身体の一部または全体が規則的または不規則に動いてしまう状態"と説明される。ただし、深部腱反射・貧乏ゆすりなどは、不随意運動とはされず、病的な原因による動きという意味合いがある。
診察のポイント
不随意運動の診察では、以下の点に注目して診察する。時間的に規則性があるか(すなわちリズムがある程度正確にあるか)、不随意運動を誘発する条件(安静時、姿勢保持時、運動開始時、運動を維持している時、精神的ストレス負荷時など)はなにか、どんな運動のパターンか(何時も同じ動きか、動く筋肉の分布、左右が同時かなど)等である。
個々の不随意運動
振戦
従来口蓋帆ミオクローヌスと呼ばれた動きも振戦の範疇に入れると言う意見もある。
舞踏運動
踊るような動きと言われるように、遠位に有意なステレオタイプな動きの事が多い。随意運動に近い動きで、正常人も真似しやすい。
ジストニア
持続的な筋放電を原因とする動きで、姿勢異常と言われるくらいで、姿勢のために痛みを伴う事もある。
ミオクローヌス
素早い、不規則な不随意運動で、この動きのために持っているものを放り出すような事もある。
羽ばたき振戦(陰性ミオクローヌス)は、肝性脳症で出現すると言われていた動きで、筋放電の突然の途切れにより発生する運動である。
バリスムス
多くの場合視床下核の障害により発生するヘミバリスムで、非常に大きな動きである。時にその運動の激しさのために、心不全になる事もある。
アテトーゼ
ゆっくりとした、ねじる様な運動で、ジストニアのように止まって姿勢異常と言う程は持続的ではない。
不随意運動は、名古屋大学では、間野教授がビデオを供覧しながら講義をしていた。なつかしい。高橋教授は、「異常不随意運動という人がいるが、随意でない運動は全て異常だから、間違っている」と、おっしゃっていましたが、反射も不随意運動に含めれば、病的という意味で、異常不随意運動、という考えもあるわけだと納得。
実は、CBDのジストニアが進んで、「介護者の服をつかんでしまい、放せないので、ふりほどかれてしまい、腕が痛くなる」という訴えの方が、外来にいます。「なにかよい解決方法は?」とフロアから質問したところ、「クロナゼパム(リボトリール)を使っても、うまく治療できないだろうし、あとは手袋をするくらい」との回答でした。
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