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第31回日本認知症学会出席講演のまとめ(1日目)「身体にやさしくバランスを考慮した」BPSDの薬物療法

II.「身体にやさしくバランスを考慮した」BPSDの薬物療法

認知症の治療は、興奮系のトランスミッターAch、NA、DA、Glu、抑制系の5―HT(セロトニン)、GABAのバランスを取ることを考慮すべき。
*非定型抗精神病薬を使うときは半減期も考える。リスぺリドンは21時間、クエチアピンは3.5時間。

*抑肝散の作用機序。(1)Gluグルタミン酸に対する低下作用(2)5-HT受容体の調整(3)D2に対する抑制がない。(つまりAchを抑えない?)
*例85才M。認知+行動異常。アリセプト5mgセレネース25mg処方されていた。アリセプト減量し、セレネース中止。これだけで改善。バランスとっただけ。
*抑肝散長期効果NPI52週でも改善。うつ、不安など陰性症状にも効果。
*家族の介護負担Zaritで評価。よくなったら、抑肝散中止することも大切。中止したら元気になった例あり。
*メマンチンBPSDに効くか?興奮でアリセプト使えない人に用い、NPI45点から10点になった例。逆に悪くなることもあるが、予測は困難。
*抑肝散の長期安全性。甘草による偽性アルドステロン症。(1)低Kによるミオパチー脱力なくても3以下なら対策を。利尿剤、チラージンの併用で起こりやすい。(2)Bp↑、心不全(感染症がきっかけになることも)、浮腫に注意。(3)服用量に比例しない。(4)1~数か月で起こる。(5)85歳以上で起こしやすい。

*DLBでの抑肝散DLBは、DA、5-HT、Ach、NAと、より多系統の障害。135例で(平均80才、M36/F99)NPIの改善は長期に効果。妄想、幻覚だけでなく、興奮性、無関心にも効果。
*DLBではアリセプトはAより効果あるといわれているが、もともとMMSEの点、下がりにくい。アリセプト0.5~3mg、抑肝散、歩行障害あればペルマックスまたはLドーパという処方。
*物忘れ外来85歳以上が増えている。エヴィデンスは対象が75歳くらいで多い。そのまま適応できない。
*92才F.1年前から「近所の人が死んだ」とかいろいろ言う。もともとアリセプト10mg投与されている。考えるべきこと。(1)超高齢では、タウオパチーをまずは考える。(2)アリセプト過剰。アリセプト減らし、安定剤なども中止。それだけで落ち着いた。アリセプトは家族が勝手に中止して、問題なかった。超高齢では進行遅いし、日常生活で困らないことが多いので、積極的治療は不要。嗜銀顆粒性認知症は、がんこでおこりっぽくなるので、そのケアーは必要。
*安定した生活、身体状態で送れるように、サポートを。薬はそれから。

フロアーから。

  • 認知症は処方が固定しがちだが、どんなことに気を付けている?(私)
    家族と、ターゲットにする症状をよく話し合い、評価を。
  • 飲みにくいといわれることが。お湯に溶かしたり、甘みをつけたり。好きな人もいます。食後でもOK。

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白鳥内科医院

〒430-0814 静岡県浜松市南区恩地町192
電話:053-427-0007  FAX:053-427-0005


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物忘れ(認知症)外来
頭痛外来(6歳以上の小児を含みます)
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診療時間

月曜日・火曜日・金曜日
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学会、長期・短期研修など、水・木以外の休診日は、診療日時案内をご覧ください。

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2017年から、1時間当たりの予約患者さんの数を減らし、以前に比べると、はるかに待ち時間は少なくなりました。


休診日

水曜・木曜
(毎週日曜・祝日診療)


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