「質問する」~“ことのは”の裏に、潜むものとは?~
◆認知症のあるお母さんが、毎朝聞いてくることとは?◆
先日、認知症の母親と同居する、娘さんから、相談を受けました。
お母さんは、介護保険を使って、週に3回デイ・サービスに出かけます。
そのお母さんが、
毎朝尋ねてくることで、ケンカが絶えないそうです。
「今日は、どこかに行く日だったかね~」
「だから、デイ・サービスに行く日は、月・水・金だから、カレンダーにも印をつけてあるじゃない!どうして毎朝同じことを聞くの?」
娘さんは、仕事にでかけようとすると、毎回同じことを聞かれてしまい、出勤時間が遅くなってしまいます。そこで、イライラして、つい言葉がきつくなってしまうのでしょう。
◆娘さんのイライラは解消できるのか?◆
「どうして、毎朝同じことを聞いてくるんでしょう?そんなに認知症が進んでいるんでしょうか?」
「じゃ、ご本人に、どうして毎朝同じことを聞くのか、ゆっくり時間があるときに、聞いてみたらいかがですか?」
「悩んでないで、本人に、直接聞いてみる」
なんだか、“幸せのツボ”~ストレスを溜め込まないためには?~の応用編みたいですね。
◆“ことのは”の裏に、潜むもの◆
お母さんの答えがどうだったか、知りたいですか?
では、あなたにもこっそり教えましょう。
「あなたと話をしたいけど、他に、話すことが見つからなくて、、、、」
それを聞いた娘さん。
「私が出かけるのが寂しくて、話をしたいけど、他に話題が見つからなかったみたいなんです。」
それで、毎朝お母さんを叱りつけてしまうことはなくなったし、休みの日には、十分お話するようになったそうです。
子供や、夫婦の会話にも応用が利きそうな、いい話じゃありませんか?
◆寂しさの原因◆
認知症が出てくると、最近のことを良く覚えていないし、あまり自由にお出かけもできなくなります。必然的に、話題は限られたものに、、、、
そんなときでも、ちょっとした質問を投げかけるだけで、違う会話「お母さんが一番輝いていたころの話」に発展していくことがあります。
むずかしいな、と思ったら、「それで」と促すだけでも、効果的でしょう。
なれてくれば、あなたも名アナウンサー。“回想法”(6月号参照)で、お母さんの脳リハビリも進みます。ひとつコツがあったのを覚えていますか?そうそう、
「ちょっと辻褄があわないな」と思っても、話の腰を折らないこと。
じゃあ、その調子で!
(ドクター白鳥は、神経内科専門医。神経内科は、認知症が専門です。)
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