先生のお勧めファンタジー

バーティミアス（3部作）　ジョナサン・ストラウド著　☆☆☆★★（星3つ）

文句なしに楽しめる。
3拍子そろった、面白さ。
『 スマイル・スピード・正確さ。』むむ、これは白鳥内科医院スタッフの標語だった！ファンタジー初心者には、「“ファンタジー用語”を簡単に学べる」というおまけつき。
「部屋の空気が、す－つと冷たくなった。」という1行日から、物語はノンストップで進行。
（ちなみにこのコーナー。編集担当のKさんから「毎回、実際に本を買ってしまいます。本当に面白い。」とお墨付き！）

バーティミアス。最高ランクではないが、プトレマイオス（歴史書を参照せよ）の盟友でもあった、由緒正しいベテランの妖霊（悪魔）。しかし、性格がまっすぐではなかったらしく、意地悪でずる賢い。どこにでもいる不満たらたらタイプ。
魔術師のたまごナサニエルが師匠に隠れ、こっそりそのバーティミアスを召喚（あの 世からの呼び出し）してしまったことから、二人のアドベンチャーが始まる。
とはいっても、舞台はロンドン（魔術師が支配する架空のロンドンですが）。アメリカや日本と違って、単純な団結ものではないのだ。
ナサニエルは、才能と野心にあふれているにも関わらず、師匠には全く認めてもらえず ひねくれ気味。
バーティミアスも、「小僧」みたいな魔術師に命令を下されておかんむり。という、少々問題のあるコンビなのだ。
そのコンビが、思いがけず、政府乗っ取りをたくらむ魔術師の陰謀に巻き込まれる。
多勢に無勢。知恵を絞り、ど派手に戦ううち、二人の間に奇妙な友情と信頼が芽生えていく。

そしてその結末は？召喚されてしまったのは、実は、読者のあなたの魂かも。

最高のＢ級映画…、いやいや、ファンタジーです。
次回はいよいよアバラット。ディズニー映画化決定！これを読まずに現代ファンタジーは語れません。

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